浮世絵の制作過程

浮世絵は分業で制作され、登場人物は以下のとおりです。

絵師:
下絵の作成
彫り師:
版木を彫る(複数人)
刷り師:
紙に摺る
版元:
出版社
地本問屋:
検閲を実施

現代の出版業界のシステムに、とても似ているのが分かると思います。

制作の詳細に関しては、今後、詳細に記載致します。

浮世絵の当時の販売価格

浮世絵の当時の標準販売価格は数百円(現在の貨幣価値換算)で、そばと同等の値段とされています。

しかし、人気作家の豪華セットなどは、数万円程度で販売されていたようです。

そのため、江戸には貸本屋が800軒近くあり、地方に貸し出し巡業をしていました(レンタルビデオ屋さんに相当)。

当時の人気の作品は、言うまでもなく春画です。笑

文化財指定状況(重要文化財、重要美術品)

浮世絵は版画で、大量生産という性質上、重要文化財の指定は限られていると考えられていますが、実際には、かなりの作品が登録されています。

一番多いのが歌川(安藤)広重ですが、国芳の作品も数十が登録されています。

ただし、指定作品一覧には、?と思われる作品が多数ある一方で、国芳の代表作品はほとんど指定されていません。

これは、所蔵している美術館の政治力かもしれません。

なお、最上位の国宝指定の浮世絵はありません。

指定にはとても時間がかかります(制作から少なくとも数百年後!)。

最も新しい国宝絵画作品は、崋山の「鷹見泉石像」で、これは天保8年(1837年)の肖像画です。

また、国宝指定は美術界の派閥関係も重要で、仏教系美術品が圧倒的なシェアを占めています。

今の時代、浮世絵のグループは影響力がないため、指定はかなり難しいのではないかと思われます。

仏教美術は、ガンダーラに始まって、中国経由で日本に入ったもので、日本の仏教美術の世界的な影響力は皆無です。

それに対して、浮世絵は、日本発祥の美術品として欧州の近代絵画に、最も影響を与えたものです。

日本人は海外の評価を気にする傾向がありますが、なぜか浮世絵に関しては、政府や国内美術界の扱いは冷たいようです。

収集の醍醐味

好きなシリーズや題材(例:平清盛、牛若丸、歌舞伎役者、相撲等)を中心に集めて、世界で唯一の個人コンプリートコレクションを所有するのも、個人収集家の楽しみと思います。

シリーズにもよりますが、十数万円から数百万円の投資で、そのような「世界でただ一つの貴重なコレクション」が可能です。

また、浮世絵の場合、有名美術館に収蔵されている作品と比較して、より良質なものを、個人で入手できます。

他の芸術分野では、個人で美術館以上のクオリティの作品を趣味で集めることは、よほどの資産家でない限りは不可能ですが、浮世絵では十分に可能です。